横浜ユーラシア文化館

【沿革】

横浜ユーラシア文化館は、2003年、東洋学者江上波夫氏からの寄贈資料をもとに開館しました。晩年を横浜で過ごした江上氏は、世界とつながる国際都市横浜は、様々な異なる文化を理解するにふさわしい場所だと考え、貴重な資料を寄贈されました。以来、20年あまりにわたり、ユーラシア地域の考古・歴史・美術・民族などを伝える活動を行っています。

【収蔵品】

開館に際して、江上波夫氏より2500点あまりの考古・歴史・美術・民族資料と、約25000冊の文献資料が寄贈されました。江上氏が収集した資料には、旧石器時代から現代までのユーラシア全域にわたる文物が含まれています。専門的な学問や古美術的な価値観を超えて、人類の営みに対する広い興味と飽くなき探求心がうかがえるコレクションです。このコレクションを核に、その後、多くの方々から貴重な資料のご寄贈を受け、現在はユーラシア地域の考古・美術・歴史・民俗・民族に関わる約8000点の資料と約3万冊の文献を収蔵しています。収蔵資料の一部は展示公開され、さらに多くの資料がHPのデータベースで公開されています。

【常設展示と企画展】

館の建物は1929(昭和4)年に竣工した旧横浜市外電話局で、100年近くの時を経た、横浜市認定歴史的建造物です。横浜ユーラシア文化館の常設展示室は2階にあります。常設展示は、時代や地域で区切るのではなく、「砂漠と草原」「色と形」「技」「装う」「伝える」の5つのテーマで展開し、ユーラシア各地の多彩な文化に、比較と交流の観点からアプローチできるように工夫しています。3階は企画展示室で、基本的に年2回様々なテーマの企画展を開催しています。

【研究活動と広報】

展示活動の基礎となるのは、研究活動です。学芸員の専門にあわせて、考古・美術・歴史・民俗などのテーマでの研究を行っております。その成果は常設展示や展覧会に活かされ、また年1回発行の『横浜ユーラシア文化館紀要』にて公開しております。紀要は11号からオンライン出版の形となっています。また、企画展にあわせてNews from EurAsiaを発行し、企画展、新収蔵資料、各種活動についてお伝えするほか、SNSを通じて随時活動を発信しています。

【ネットワークを広げて】

当館では、国内外の博物館や研究機関などと連携して様々な展覧会を実施しています。近年では、国立民族学博物館・秋田大学・片倉もと子記念沙漠文化財団と連携した「サウジアラビア、オアシスに生きる女性たちの50年」(2019年)、東京大学と連携した「オホーツク文化―あなたの知らない古代」(2021年)、仁川広域市立博物と連携した「思い出のチマ・チョゴリ」(2024年)などを開催しています。

グローバルな視点で展開すると同時に、ローカルな視点、地域の企業や団体との連も大切にしています。たとえば横浜中華街の各種団体と連携した企画展「横浜中華街160年の軌跡」(2022年)や、地域団体とともに「横浜スタチュー・ミュージアム」というユニークなイベントも実施しています。さらに、横浜市の国際交流の一翼を担うべく、友好都市・姉妹都市、パートナーシップ都市の歴史や文化を紹介する写真展なども開催しています。